「役人主導型農政から脱却せよ」
from 農業経営者
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「集落営農マンセー」、「コシBLマンセー」。前者は農水省経営局、後者は新潟県が命運をかけて取り組んでいる政策課題だが、本コラム欄で指摘の通り、いずれも大失敗に終わりつつある。 失敗の本質風に総括すれば、国や地方の役人がしゃしゃり出てきて、「これ作るな、あれ作れ」などとお節介した挙げ句に、集落営農推進では農家の協力は得られず、新潟コシBL導入では米価は大暴落という大破綻を招いてしまったのである。困ったことに、失敗を目の当たりにしてもお気楽な役人どもは絶対に「失敗」とは認めない。この両者に相通じるのは、「民間でできることは民間で」という経済社会の基本ルールをまるで理解できていないことではなかろうか。(以下つづく)
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08月号 農・業界【国際】
from 農業経営者
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イタリアマフィアの農家脅迫事件が多発 農作物価格を不当に引き下げ、100億ユーロ荒稼ぎ マフィアが農家を脅迫し農産物の出荷価格を不当に引き下げさせる事件が多発している。その実態は、イタリア農業連合(Confederazione Italiana Agricoltori)が5月に発表したレポートで明らかになった。昨年、マフィアが農産物取引への不正介入で得た利益は100億ユーロにも上るという。 マフィアの不当な価格下げ手法は、極めて悪質で多岐に渡る。農家を脅迫し(時に暴力を伴う)卸値を生産原価以下まで下げさせ、マフィアの息のかかった中間業者に買い取らせた農産物を何倍もふっかけて小売業者や市場に売るというものだ。こうしたマフィアの介在する中間流通量は今では、小売価格を吊り上げられるほどの量にまで増加しているという。
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08月号 農・業界【国内】
from 農業経営者
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藤島オニオンクラブ(山形県鶴岡市) 山形で北海道型玉ネギ生産の経営実験 収穫後の乾燥・調製作業に課題 山形県鶴岡市藤島の叶野幸衛氏を中心にした藤島オニオンクラブのメンバーは、2004年秋から北海道の農業機械メーカーなどの協力も得ながら、北海道型の機械化体系による玉ネギ栽培実現に向けて経営実験を進めている。現在の栽培面積は2.4ha。試験栽培では10aで4〜5tの収量を上げているケースもある。叶野氏によれば、本格的な生産体制を整えた後は鶴岡市の給食センターへ出荷を予定している。
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第12回 メロン編 病害中の住みかを叩く!の巻
from 農業経営者
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農薬の使用回数について 専門家 北海道の冷涼な気候が良いとのことですが、それにしても農薬の使用回数は少ないですね。 西村 曇天で雨が降るなどした場合に2、3日ハウスを閉めておくことがありますが、こいうときは、すぐ薬剤を散布しないと絶対に病害がでてきます。そのため湿度を低く保つことは重要です。そういった工夫をしていない農家は、農薬の使用回数がもっと多いようです。 また、最近は年に2作つくるところも見られるようになりました。秋作の作期は9月末〜10月上旬くらいですが、この時期は湿度が上がってくるので、アブラムシや菌核病など、いろいろな病虫害がでてきます。 専門家 うどんこ病は湿度が低いと蔓延しやすいのですが、その他の病害は低湿度にすることで抑えこめますね。本州ではスリップスやコナジラミの被害が目立ちますが、北海道ではその心配が小さいですよね。ところで、その他の病害虫や土壌病害はどうですか? 西村 この「R-113U」という品種は菌核病に弱いようで、メロンの花芽にもつきます。また、つる枯病やベト病も発生しますが、湿度管理で最小限に抑えこむことはできますね。土壌病害については ...
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Vol.6 リアアクスル
from 農業経営者
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TM/ギアボックスから伝達される動力は最終的にPTO軸や後輪車軸へ伝えられてはじめてトラクタとして機能する。そこで重要となるディファレンシャルやファイナルドライブ、ブレーキシステムといったリアアクスルについて、その仕組と開発過程をみていく。 ディファレンシャル(差動装置) ギアボックスからの動力は、リングギア仕組(ピニオンベベルギアとクラウンホイール)ディファレンシャル装置を介して直角に後車軸左右へ振りわけられ、PTO軸はストレートにケースの後部(場合によっては中部)へ伝達している。 ディファレンシャルギアは、トラクタの直進や旋回、曲進を容易にするために開発されたもので、左右の駆動軸に常に等しいトルクを加えながら異なった回転速度を与える装置である。この装置が組み込まれていることによって、トラクタは簡単に旋回したり、直進したりすることが可能になるのである。(以下つづく)
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Vol.7 発芽と苗立ちの絶対条件を再認識 除草剤・播種密度にも課題
from 農業経営者
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6月末、矢久保農場を訪問し矢久保英吾さん、後継者の矢久保諭さんと話をしてきた。今年のここまでの状況、そして反省点や今後の対策もうかがった。 10年目の油断 乾田直播栽培の稲は見事に育っていたが、ごく一部は葉色が揃っておらず、生育の遅れが見てとれた。前号で少し触れたが、この部分は発芽不揃いによる苗立ち遅れと欠株の対策として補植を行った部分である。 これを諭さんは「10年目の油断」と表現した。稲のないところからコメは収穫できないため、補植をすることで秋の収穫を期待することになったと言う。苗は当然矢久保農場では作っていないため、隣の農家から分けてもらった。諭さんは就農してから本格的な移植栽培の経験がないため、「コメ作りをするようになって今年が最も多くの苗を植えたシーズンになりました」と、苦笑いをしながら説明してくれた。数十箱の手作業補植であったが、乾田直播栽培のみでコメ作りを学んできた青年にとっては、反省と悔しさが入り混じった複雑な心境であったと思う。
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プロとしての売り手の条件
from 農業経営者
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【(株)オフィス2020新社チーフエディター 桑原聡子】 現代のように情報が氾濫すると、従来は売り手にしかもてなかった知識が、個人差はあるが、消費者の側にも蓄積される。今までは玄人と素人の間に情報格差があったからこそ商売が成り立った。この差がぐっと縮まり、プロとアマの境界線が曖昧になった時には、プロがプロたる所以を示さない限り、市場で必要とされる存在にはなりえない。 真似るではなく学ぶ姿勢 私は主に流通・小売・サービスの現場で取材活動を続けてきた。そこで感じるのは、これらの業界で、真似がすごく多いことだ。あるスーパーが売り場にファッション感覚を取り入れて評判を上げれば、それを模倣する店が一気に全国に広がる。だが、後追いだけでは差別化は図れず、多くが同質競争の中で行き詰まる。
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長野県諏訪市 渡辺牧場 渡辺一徳 氏が選んだ商品
from 農業経営者
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農機マニアの読者なら、渡辺一徳さんと話せば、きっと話題が尽きないであろう。機械情報を様々な手段で集め、比較検討する。そして、様々な人脈を使って各地に眠っている有意な機械を探し出してくる。その機械技術への指摘は一々頷かされる。 【経営データ】■ 個人データ / 1955生まれ。渡辺牧場の労働力は、代表者の俊夫さん夫妻と両親、そして一徳さんの5人。渡辺さんたちの「信州霧ケ峰高原牛乳」は、長野県の「信州匠選」の選定商品に選ばれている。 ■経営概要 / 搾乳40頭・育成30頭。飼料作は14.5ha。
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第27回 農家こそ、生産メーカーになるべきだ
from 農業経営者
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【株式会社アースワーク 代表取締役 松浦助一 (福井県大野市)】 「日本の農業の世界には不思議なことがたくさんあるんですが、そのひとつが農産物に生産メーカーがいないことなんです」アースワークの代表取締役を務める松浦助一は、大きな目をぎょろりとさせて言った。 「例えば、車でも電化製品でも、どんな商品にも、必ず生産メーカーというのがありますよね。でも、農産物の場合、生産メーカーの役割を担っているのは都市部の問屋です。そこで農家から集めたコメに、○○印の○○米みたいな名前をつけて売る。でも、そのコメの生い立ちをきちんと知っているわけではない」 コメの流通・販売をめぐるシステムへの疑問から松浦が立ち上げたのが、無農薬栽培のコメを中心に、その生産から販売までを手がける会社「アースワーク」である。アースワークでは、コメのほかに、無農薬米を使った餅や日本酒、地元の福井県大野市産の里芋なども手がけ、その売り上げ総額は3億に達している。(以下つづく)
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民間育種米で“商機”をつかめ!
from 農業経営者
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コメ余り時代に生き残りをかけて 民間育種米とは、民間企業または民間人が開発した新品種のこと。公的機関が独占していたコメ育種に民間参入が可能となって20年が経つ。ここ数年、有望な民間品種が出揃い、各社の品種の強みとその成長戦略が明らかになってきた。全社に共通する認識は、品種の強みを発揮できる、力のある生産者と組みたいということ。我こそは思うコメ農家にとって、こんな“商機”はまたとない。コシヒカリと産地ブランドの寡占化に安住し、消費者への提案力を失った米業界。そこへ新しい品種で着実にマーケットを切り開いている民間の育種企業。彼らと組まずして、誰と組む! 主要企業キーマンに聞く品種の強みと成長戦略 【中島美雄商店】 やみくもな拡大避け、品種ごとに最適な産地を選び、高品質を訴求 【(株)中島美雄商店営業本部長 久保井修氏】 民間育種事業その成功の鍵はどこにあるのか? 参入10年足らずで、主力ブランド「夢ごこち」を13万俵流通させるまでに成長させた、中島美雄商店の戦略から明らかにする。 民間育種の成功は、単に優れた品種を開発することだけでは実現しない。栽培から販売までをトータルに把握し、コントロール ...
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