Vol.7 4輪駆動
from 農業経営者
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現在、トラクタといえば4輪駆動(以下、4WD:Four wheel drive)が当たり前のようになってきているが、この傾向はここ25〜30年間のことで、それ以前は2WDが主流であった。特に北米では、フロントアクスルのトレッドセッティングが幾通りにも可能だったということもあり、管理作業(ロークロップ作業)までをもカバーする大型トラクタでも、2WDに重点が置かれていた気がする(けん引力増加、または踏圧防止のため、後輪ダブルタイヤなどのオプションは用意していた)。 むしろ、ヨーロッパの方が現在販売されているスタイルの4WDトラクタの導入は早かったようである。そこには国土面積や作物、作付けの違いなど、さまざまな要因があったのだろう。 今回は、日本と欧米それぞれの4WDシステムの開発経緯と機能・特徴を解説する。(以下つづく)
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Vol.8 乾田直播の先にある「総合水田経営」
from 農業経営者
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矢久保農場を訪問し、お話をうかがったときのことである。乾田直播栽培をなぜ行っているのか? 基本的な質問を再度した。まだ確立していない技術に先駆者として取り組んできた矢久保さんである。多くの困難に直面しながらもここまで継続し、この技術を作り上げてきた。 当然、矢久保さん個人の強い意志と将来のコメ作り農業にかける情熱によるものである。それと同時に、一緒に仕事をされている奥さん、そして後継者の諭さん夫妻の理解と協力があってのことである。スガノ農機がプラウメーカーとして培った技術でレーザーレベラや播種機の開発に取り組んできたことも大きな支えとなった。 今、乾田直播技術に取り組んでいる生産者、そしてこれから導入を考えている農業経営者に伝えるべき、矢久保さんからの大事なメッセージを感じた。
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世界を開拓する自由
from 農業経営者
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【エコファーム・アサノ オーナー 浅野悦男】 先日、フランス人の著名なシェフが私の農場を訪ねてきた。畑の野菜を口にするなり、彼は「こんな野菜が使える東京の料理人がうらやましい」とうなった。パリから自動車で1時間圏内に、うちと同じぐらいの品質、品揃えの素材を供給できる農場はないそうだ。それどころか、「パリ市内のマーケットにもない」とシェフは驚いていた。 冗談まじりに「じゃあ、フランスに行くよ」と水を向けると、彼は「ぜひ!」と言った。
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岩手県花巻市 (有)盛川農場 盛川周祐 氏が選んだ商品
from 農業経営者
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圃場作り・土作りの思想から機械利用の知恵。紙数の制約から機械選びのすべてを紹介し切れないのが残念だ。ここでは、盛川氏の経営観と機械技術の一端を紹介して、府県の水田転作を本作化するためのヒントにしたい。 【経営データ】■ 個人データ / 労働力は盛川周祐氏(54歳)と妻の裕子さん(50歳)、長男の祐君(19歳)の3人。長女の風子さん(22歳)は岩手大農学部の学生。友人をアルバイトに連れてくるリクルーターでもある。 ■経営概要 / 経営耕地46ha。水稲9.6ha、小麦25ha、大豆11ha、ソバ1ha。ジャガイモの契約栽培にも取り組もうと計画している。
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第28回 専業農家仲間の未来のために、集落営農をあえて担う
from 農業経営者
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【松隈ファーム代表 松隈利生 (佐賀県鳥栖市)】 佐賀県の東端に位置する鳥栖市。九州を南北に結ぶJR鹿児島本線と、東西に結ぶ長崎本線はJR鳥栖駅で交わる。九州縦貫・横断両自動車道が交わるのも巨大な鳥栖ジャンクション。福岡から長崎、熊本、鹿児島方面に向かうためには必ず通過する物流の要衝だ。周辺には地の利を活かした工業団地も多い。 松隈ファームの松隈利生さんが農地をもつ高田町は、福岡県久留米市との県境近く。筑後川が作る筑紫平野にある。 「佐賀県と福岡県両方の業者が競ってくれるおかげで、農機も資材もほかの地域と比べて安いんですよ」 周辺には、地元の農家の土地と久留米の地権者が持つ土地がモザイク状に混じり合う。そんな環境が松隈さん、および松隈さんが「仲間」と呼ぶ鳥栖の専業農家グループの視野を広げた一因だろう。(以下つづく)
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農業経営者2004人意識調査でわかった経営発展のための3つの条件
from 農業経営者
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マーケット対応・コスト削減・技術革新 経営を発展させる 48.8% 顧客の立場で考えられる経営感覚の習得が重要 50.0% さらに革新的な技術が導入されるべき 73.6% 遺伝子組み換え技術は日本農業にとって必要 43.8% 乾田直播技術は日本農業にとって必要 43.8% 巷の“常識”に違和感あり 調査期間:2006年3月 調査主体:株式会社農業技術通信社 農業経営者編集部 調査目的:農業に事業的に取り組む農家が、WTO農業交渉や補助金の大規模農家への集中などの環境変化の中で、これからの農業経営と技術革新についてどのような考えや意識を持っているか明らかにする 調査対象者:全国の農業経営者2,004名 (うち、年間販売額1000万円以上1,089人) 調査方法:郵送・FAX・メールによるアンケート調査
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Part3 民間育種“注目”品種 全20点
from 農業経営者
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2006年7月現在、品種登録されているコメの品種数は517種ある。その内、5分の1に当たる101品種が民間育種の品種だ。育成者本人しか作っていない品種からすでに数百ha以上普及しているものまで、様々ある。育成者が個人か企業かを問わず、それらの育成者権者に連絡をとり、種もみが入手可能で、育成者権者が普及を望んでいることを確認できた品種のみを選び出した。もしかしたら、この中に、自身の稲作ビジネスを変える品種が潜んでいるかもしれない。気になった品種があれば、問合せてみよう。 ※本文では、【普及状況】【訴求ポイント】【販売先・用途】【育成者プロフィール】【育成者コメント】【問合せ先(種もみ入手先)】のすべてがわかります。
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Part2 主要企業キーマンに聞く品種の強みと成長戦略
from 農業経営者
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【中島美雄商店】 やみくもな拡大避け、品種ごとに最適な産地を選び、高品質を訴求 【和穀の会】 ツヤとさっぱりした食感を武器に、 「米穀店だけのコメ」に育て上げる 【三井化学】 12〜13俵とれるハイブリッドライス、外食業者も注目 【日本モンサント】 短稈、多収、かつ良食味の直播向きの品種。 コメのブランド化も狙う 【植物ゲノムセンター】 育種期間を従来の5分の1に短縮。有望品種を次々に開発する 【全農】 新商品づくりに直接つながる、特長ある品種開発を目指す
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M・A・N(マン)トラクタ(50馬力)
from 農業経営者
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型式・仕様:AS542A・50馬力 製造社・国:マン社・ドイツ 導入年度:1953(昭和28)年 使用過程:北海道小清水町の林初雄氏が所蔵していたもの。
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農業規制改革に読者の声を伝えよう
from 農業経営者
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内閣府の規制改革・民間開放推進会議の農業ワーキンググループから協力を要請された。現実の農業経営あるいは商売の現場に発した声を反映させたいという事務局の意向であろう。規制改革に現場の声を反映させる機会が与えられるのは有り難いことだ。 しかし、僕の基本的な考え方は、規制改革を語るより農業経営者自身が市場社会あるいは目の前にいる顧客の要求に答えることで変革は進むのだと考えている。官の指導ではなくマーケットの力こそが欠乏の時代の論理に支配された農業を変える力になると思うからだ。 宅配便のビジネスの成功は、郵政や運輸の規制がなくなったから実現したわけではない。ヤマト運輸などが事業の可能性を信じて、法律や制度の規制に抗し、また競争の中で市場が求めるサービス開発に取り組んだからだ。彼らは自らに与えられている規制とセットになった既得利権を捨てることで、それを実現したことも忘れるべきではない。
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